<-THE G-> 「成人指定」3高級化するならオシアナス(グチのページ・・・)▼最近のGショックには、Mr-Gを使って高級化を謀っているフシが見られる。 がこれは勘ちがい路線ではないだろうか? 丈夫で多機能でかっこいい時計が、より活動的な高校生くらいの年代でも自分の小遣いで買える・・・・。 これがGショックの普及してきた根源的な理由ではなかったか? Gショック発売から25年が経ち、かつての青年たちも歳を重ね、そこそこお金がたまったことを見込めるから彼らの購買力を当てにできると踏んだのかも知れないが、 残念ながらブランドにはイメージというものがある。 ブランドとはイメージ作りのためにある、と言っても過言ではない。 Gショックに高級なイメージはない。 それどころか、粗野で頑丈でしかも安価で・・と高級ではないところがGショックの「売り」でさえある。 この高級化路線は<G-SHOCK>というブランドイメージを壊し、これまでのGショックの歴史をないがしろにし兼ねない。 むしろ高級化を図るならカシオの中でなら「オシアナス」ではないだろうか? 「オシアナス」ならビジネスマンに浸透しているし、洗練されたイメージもある。 どうしてもMr-Gで・・というのなら、Mr-Gをブランド名にして、CASIOとG-SHOCKのロゴを本体から消すくらいの思い切りが欲しい。 もちろんMr-Gは売れなくてもよい、というのなら話は別だが。 車の話になるが、「LEXUS」が高級車として世界中に浸透したのはそこから「TOYOTA」のマークとロゴを外し「LEXUS」を独立ブランドにしたからである。 「TOYOTA」ブランドのままなら、例え性能が現在のレクサスより上であっても高級車としての認知はされなかった。 なぜなら「TOYOTA」とは毎日買い物に行ったり、物を運んだり、社用に乗り回すための、いわゆる普段使いの車として世の中に認知されているし、 そのような生活臭のプンプン漂うブランドイメージの車の性能をいくら上げたところで高級車にはならないからだ。 ブランドイメージとはかように重要な要素だということをカシオは認識しているであろうか? でもTOYOTAはそのあたりをわかっていたのだと思う。 LEXUSがトヨタ産だという認知度が見込みより低ければトヨタブランドのまま売った方がよかったというセールス結果にもなりかねなかった。 かと言って、セールス成績第一主義をかたくなに通しトヨタブランドに固執していれば、永久に世界に通用する高級車は作れない。 そこで賭けにも似た決断が要る。 トヨタの場合この決断が<吉>と出たわけだ。 Mr-Gの最新機種の値段は本体価格¥270,000である。 このお金があれば、オメガが買えるし、あと一歩でロレックスが買える・・・いや、ハイビジョンテレビが買える。 一般の人はそう考える人の方が圧倒的に多いはずだ。 あえてこの金額をGショックに費やそうとさせるには手間と時間をかけたのイメージ戦略が必要である。 高級化を図るならGショックのイメージはかえって逆効果だからである。 だがイメージ戦略の跡は見られない。 Gショックという名前の認知度に頼って値段だけ上げれば高級品になるとでも考えているのだろうか? だとしたら、とんでもない勘違いとしか言いようがない。 確かに27万円のMr-G(MRG-8000)のスペックはすばらしいがなお疑問なのである。 手元のカタログによると以下の通りである。 ・ワールドタイム27都市。 ・日付け曜日表示 とあるが、これは同時期に出たフルアナログのメタルツイステッド(4,5万円)も持っている機能である。 さらに ・深層硬化処理、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)処理 ・無反射コーティングサファイヤクリスタルガラス仕様 ・タイトロックバックル これらは高級化路線を表しているスペックだ。 ところが上記スペックは18万円のMRG-7500のスペックと同じなのである。 一体どこを改良、および高級化して、何が9万円の差なのかさっぱりわからない。 さらにさらに ・平均月差±20秒 である。 クウォーツ精度の平均月差に至っては、より安価なMRG-7100 MRG-7000のほうが±15秒と上級なのである。 これで本当に27万円という値段に見合っているのだろうか? どう想像してみても僕にはMRG-8000がヒット商品になるとは到底思えない。 少し前まで、18万円のGショックというだけで、まさにショックだった。 内心は「いきなり20万円では消費者側が拒絶反応を示すだろうから18万で折り合ったのだな。新しい機種はいよいよ20万円の値段をつけてくるだろう・・」 などと思っていたら、一足飛びに27万円の値段をつけてきたのでまた驚くことになったし、さらにはあきれてもいる。 以上のように見てみると、このたびの新機種発売は一つ前のMRG-7500(18万円)を安く見せるための「オトリ」なのではないか、という気さえしてくる。 90年代のGショックをざっと見てみると、それらのデザインはどこか漫画チックであることに気がつく。 最近のモデルにはそれが見られない。 褒めているのでも、けなしているのでもないが、この変化に白けてしまっている人、寂しさを感じている人もいることは確かだろう。 Gショックの高級化路線は、人気の関西お笑い芸人が<勘違い二枚目路線>に転向するようなあざとさを感じるのである。 (2007 年末) ジャンル別一覧
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